「犯人は水抜き穴!?」前編からの続きです。

採光窓の天端のシールを打ち替えたことでサッシ廻りからの雨漏りが直ったと思っていたのが、暴風雨の際にまた再発した、とのご連絡を受け、急いで現場に駆け付けます。雨漏りの原因を突きとめるため、先日弊社が施工した箇所からの漏水の可能性も疑いつつ、散水調査を行います。

こちらが、散水調査の様子です。

散水調査は、状況次第で2時間以上かかってしまう事もあるので、お客様にもご協力いただきました。

まず、今回弊社で施工した箇所にたっぷりと散水をします。

シールを撤去してから打ち替えをしているので、施工ミスがあれば、そこから漏水してしまいます。

しっかりと散水した後、天端からの漏水がないことを確認。今回の施工ミスではないことがわかりました。(…ホッ)

次に、天端以外の疑わしき箇所をひとつひとつ散水していきます。

長年の経験と知恵から、原因の可能性が高いと考えられる箇所から確実につぶしていきます。

 

前日の風向きから考えると、以前入れ替えたという垂直部分のサッシ廻りのシールからの漏水が疑われます。

ここに30分以上散水しましたが、漏水がなかったため、今回の原因とは考えにくいと判断。別の箇所を調べます。

 

残された箇所で疑わしいのが、サッシフレームの水抜き穴です。

本来は水が入るはずのない、入ったとしても通常はそこからまた抜けていくべき場所なのですが、規格外オーダーメイドサッシということで、構造上の不具合がある可能性も考えられたため、前日の風向きと同じ方角から散水してみます。

すると、散水してから1分もしないうちに、ポタポタと漏水が始まりました!

 

外からも内からも、細かくサッシの形状など確認し、いろんな条件を勘案したところ、以下のような現象が起きていると想定できます。

◆サッシ取替え工事の際、勾配が整っていなかった。

◆時間経過による建物や地盤の歪みなどの影響により、水抜き穴付近に水が集まりやすくなっていて、雨水侵入経路が出来ていた。

◆砂埃で水抜き穴が塞がったことにより、しばらくの間、ここからは雨水が入らなかった。(その代わり天端シールの劣化部から浸入した雨水はここに溜まり、内部に浸み出ていた。)

◆今回の工事で、天端シーリング部からの雨水浸入は止まったものの、水抜き穴をきれいに清掃したことにより、今度はこの穴からの雨水が入りやすくなった。

 

…その結果、雨漏り再発!

 

建物の内側からサッシ廻りを調査させていただいたところ、サッシ自体のサイズが大きいこと、水抜き穴が砂埃で埋まっていて機能していなかったことにより、かなり結露がひどい状態になっておりました。

サッシのカバーを外し、構造を確認。いよいよ水抜き穴からの漏水の可能性が大きくなってまいりました。

こちらの写真をご覧ください。

 

赤い丸で囲んだ部分、アングルの継目から水がじわじわと滲んできます。

やはり!ここが、雨水浸出箇所でした。

 

しかし、他の可能性も消えたわけではないので、念には念を入れて散水調査を続けます。

水抜き穴は他にもいくつも存在するため、一つ一つに散水し、漏水がないか確認します。

じっくりと、様々な角度から散水していきます。

 

結果、原因箇所以外に漏水はありませんでした。

これでようやくひと安心!

 

・・・さて、今回問題の雨水の浸入・浸出口とその原因がわかったところで、解決するためにどうするべきか?

散水調査を終え、事務所に帰ってから、何とか知恵を絞ります。

 

そこで、考えついたのは、「水抜き穴に水切りをつける作戦」です!

早速ホームセンターに向かい、なにか使えるいい部材がないか、探します。手ごろな部材を見つけ、切ってサイズ調整し、水が横から入らないように工夫を凝らして・・・

出来上がったのがこちら。

常務発案、オリジナル「水抜き穴用カバー」です!

これを水抜き穴を囲うように取り付けることで横殴りに吹き込む雨水をよけつつ、本来の機能であるサッシ枠の中に溜まった雨水や結露の水分を逃すことが可能になります。

 

さて!早速、取付です。

うん、見た目もそんなに違和感なし!

再度、水抜き穴用カバーと取り付けた部分に散水してみます。

・・・漏水なしです!これでバッチリ。雨漏り再修理が完了しました。

 

後日、大雨が降った際、お客様に確認したところ、異常なし!とのことでした。(一同、ホッ)

 

今回の工事で、改めて考えさせられたのは、「思い込みで漏水箇所を探してはいけない」ということです。

水は流れもの。良くも悪くも条件さえ整えば、あらゆる経路をたどって流れ着いていきます。

改めて、雨漏り修理はとても難しい!と実感した事例でした。

 

そして、みなさまにはなによりも雨漏りの早期対策をお勧めいたします。

放っておくことにより、一つの侵入経路が別の経路を呼び、どんどん複雑な状態になっていってしまいます。

複雑な経路はより原因探しを難しくし、雨漏り解決が遅れると結果的に大切な建物を傷めてしまいます。

そうなる前にどうか早め早めの対応をお心がけください。

ご心配なことがございましたらいつでもお気軽にご相談くださいませ。

良かったらシェアしてください